16人目の県大生 Ryunosuke
「コミュニティ」
この言葉に対して、人一倍思い入れが強いりゅうのすけさん。
彼はなぜ、それほどまでにコミュニティにこだわりをもつのかー。
そう思うようになった経緯を紐解いていこう。
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今回、インタビューを受けてくれたのは、4回生の樋野竜乃介(ひの りゅうのすけ)さん。(21)
(3/5に22回目の誕生日を迎える。おめでたい。)
出雲市十六島(うっぷるい)町の出身で、樋野家は海苔業を営んでいる。
彼は、硬式野球部、BBS、海の家Re:rieと多岐に渡って精力的に活動してきた。
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親と野球
小学2年生の頃から野球を始めたというりゅうのすけさん。
もともと運動神経なんてなかったと語る彼は、父親の熱心な指導のもと、走り込みなどのトレーニングを積んで、野球漬けの毎日を送っていたという。
しかし、高校まで続けた野球に将来が無いと限界を感じ始めたりゅうのすけさん。
大学入学当初は硬式野球部にも入らず、勉強とBBSの活動に力を注いでいた。
淡々と流れる日々がつまらないと感じ始めた彼は、他大学に進学した高校の野球部の同期が、変わらず野球に打ち込んでいることを知り、このままでいいのかと思い始める。
それと同時に、野球に熱心だった父親のことが思い浮かんだ。
「野球で何も返せなかった父親に、何か少しでもいいから返したい。」
そう思った彼は、大学2年生を目前に控え、硬式野球部に入部することを決める。
入部した直後から、上級生がいる中でもキャプテンを任され、たくさんの葛藤はありながらも、チームのエースとして卒業まで野球を続けたりゅうのすけさん。
試合の度に応援に駆け付けてくれたお父さんも、ここまで野球を続けてくれたことに、きっと喜んでいるはず。
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家族とコミュニティ
りゅうのすけさんは周りのことをよく見ている。
大勢でいる中で少しでも楽しめていなさそうな人がいるのもすぐに分かる。
そう感じ取れるようになったのには、兄弟の存在があった。
りゅうのすけさんは、5人兄弟の2番目。
幼いころは、学校に行くのが嫌でずっと泣いていたという。
それでも周りに助けられ、泣かずに学校へ通えるようになり、だんだん学校に馴染めるように。
しかし、弟や妹はあまり学校に馴染めなかった。
どうしたらみんなの居心地がいいコミュニティをつくれるのだろうか。
それは、兄弟の話だけに留まらない。
仲が良いのに地方衰退の中で廃校になってしまった母校(中学校)のコミュニティ
先生も一緒にUSJに行くほど仲良し久保田ゼミ4回生
海の家Re:rieを通してできた津田町の方とのコミュニティ
自らが運営となって開催した、都市学生×県大生のコミュニティ
他にも挙げればキリがないほど、たくさんのコミュニティをもつりゅうのすけさん。
「それぞれの縁を切らせたくない」
と、コミュニティの継続性を考えている。
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十六島
りゅうのすけさんが生まれ育った十六島という地。
「十六島海苔」が名産で、彼のおじいさんはその漁師である。
テレビや新聞などのメディアに取り上げられるほど。
そんな海苔業も、後継者不足などで衰退の一途を辿っている。
最近、りゅうのすけさんはどうすればこの産業を残していけるのかを考え始めている。
大好きで自慢できる家族と地元。
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「世の中、なんでもコミュニティ」
そう語るりゅうのすけさんは、きっとみんなの居心地のいいコミュニティを創り出してくれるに違いない。
writer : Anko