10人目の県大生Iwami
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現在、大学を休学中の岩見しおりさん(20)。
休学しているにも関わらず、インタビューを受けてくれたことに感謝。
最近のマイブームは、松原湾に行って、読書や考えごとすること。
取材当時、彼女の愛読書は、エーリッヒ・フロムの『愛するということ』
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大学1、2年生の頃の岩見は、がむしゃらに動いてはいたものの、大学生活に疑問を持ち、どうしていいのか分からない日々を悶々と過ごしていた。
そんな大学2年生の2月に参加した「SOKOAGE CAMP」は彼女に色んなコトやモノを教えてくれた。
そのキャンプは、自己と対話することをメインとする合宿型プログラムで、とにかく自分を見つめる5泊6日だ。
自分から出てくる言葉を、自分も周りも否定しないことがルールであるらしい。
ここが、まさに彼女のターニングポイントと言っても過言ではない。
彼女はそこで今までの自分とじっくり向き合い、そして“愛”というものを学んだ。
大学3年生の夏には、インターンとして参加。
そこは、人をプラスに変える場所であった。
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そのような経験を通して、彼女は浜田でどう生きていくかを考え始める。
県大生の大多数は、「浜田には何もない」と言う。
だが、彼女はユーザーにならずに、自分たちで、ここ浜田にあるものを工夫して作り出せばいいじゃないかと考えた。
仲間がいればどこでも楽しいということをいちばん大切なこととして。
そこで、居心地のいい仲間とご飯会を開くことを考えた。
浜田の食材を使って、大好きな仲間と料理をして、たわいもない話をしながらそれを頂く。
「なんて最高な空間なんだ。」――
みんなで一つのことをやれる、まとまれる感じ、いい人間関係が人を幸せにするということが確信に変わったご飯会になったという。
ちなみにこのご飯会には名前が付けられたらしい。
その名も「JAM」。
その言葉の意味として、「セッション」、「上手くやろう」、「学生がパーティを開く」など、たくさんあるが、とりわけ、「人がギュッとなる」ということがいちばん重要な意味だという。
月に一回のペースで開催される「JAM」は、会を重ねるごとに集まる人数も増え、まさに彼女が創り出したかった空間になっていっている。
そしてこれからは、広めのアパートを借りて、県大生がいつでも集えるシェアスペースを、ここ浜田で、生み出そうと考えを巡らせている。
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彼女を突き動かす原動力は、“愛”する“仲間”であるのではないかと、取材を通して強く感じられた。
interviewer:Anko,Tokutake
writer:Anko